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マイカー通勤に潜む経営リスク@

「マイカー通勤」を認めている企業も多く存在します。地域によっては公共の交通機関網が脆弱なので致し方ないことだと思います。

もし、マイカー通勤中に従業員が事故を起こしたらどうなるでしょうか?

もちろん、第一義的には事故を起こした従業員が責任を負います。

しかし、この従業員が自動車保険に加入しておらず、賠償資力もなかった場合、どうなるかというと『使用者責任』として会社側に

賠償義務が発生する場合があります。



平成29年に滋賀県米原市で通勤中の大手メーカーに勤務する従業員が高校生をひいてしまい、

結果高校生は亡くなってしまいました。


従業員は無保険、その結果遺族から会社側に訴額が約19000万円の訴状が届いたそうです。

この時のツイッター(現X)の反応は「そんなことまで経営者責任なのか!」と経営者の方々から怒りともとれるツイートが相次ぎました

が、過去の判例からしても会社がマイカー通勤を認めている場合は原則として上記『使用者責任』が発生いたします。



その後、この裁判の情報が全く入ってこなくなりましたが、おそらく遺族と企業の間では和解が成立したものと思われますが、

訴額に近い金額で和解成立となっているとそれが前例となるというところが更に恐ろしいところです。

大手メーカーですから対応できるであろう金額ですが、中小企業にきたらひとたまりもない金額です。



この対策としては「マイカー通勤規程」を作成し、マイカー通勤をしている従業員に「きちんと自動車保険に加入する」ことを義務付ける

ということをしなくてはならないでしょう。


しかし、それがあまり意味がないことであることを次回お話しします。


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※2024年4月時点の内容となります

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