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マイカー通勤に潜む経営リスクA

マイカー通勤を認めている企業でこの話をさせてもらったところ、経営者の方は自信満々に「うちはマイカー通勤規程を作成し、

自動車保険料の一部を負担しているし、マイカー通勤している者全員から毎年自動車証券コピーも取り付けている」とおっしゃって

いました。

従業員数は100名ほど。確かにきちんと整備されたマイカー通勤規程があり「自動車保険は対人・対物を無制限で加入すること」となっ

ており、4年分の自動車証券が保管されていました。3年契約の自動車保険もありますから保管年数も正しいです。

すべて対人・対物は無制限でした。

全てを拝見して私が言ったのは「少なくとも8名が自動車保険に未加入であると推測されます」ということでした。

社長は驚いていました。私が発見したのは・・・


@合併により既に存在しない保険会社の証券コピー2枚

つまりは偽造証券のコピーです。よく見ると保険期間の部分が不自然でした。


A毎年引受保険会社が違う無事故等級が毎年6等級である証券のコピー6枚

自動車保険は無事故ならば1等級進行し、事故を起こせば普通は3等級下がります。等級据え置き事故というのもありますが、

何年も連続でそのような事故が起こることは考えにくいでしょう。

このからくりは「毎年自動車保険を新規加入し、保険料引き去り口座を月払い保険料未満にして失効させる」というものです。

現在の自動車保険は保険料後払いなので無料で保険証券を入手したということです。

そして、失効歴のある人の自動車保険は引き受けない保険会社が多いので毎年保険会社を変えていたということです。

いずれも『確信犯』です。

社長は慌てて証券チェックを担当していた総務部長を呼びました。


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※2024年4月時点の内容となります

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